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『中世』(ちゅうせい)は、三島由紀夫の短編小説。陣中に25歳で夭折した足利義尚を悼む父・足利義政の癒えない悲しみと、二人に寵愛された美少人・菊若を介した義尚の招魂を絢爛な文体で描いた室町時代の物語で、衆道的モチーフなどに、三島美学の萌芽が垣間見られる作品である〔三島由紀夫『中世・剣』(講談社文芸文庫、1998年)〕〔「カバー解説」(『中世・剣』)(講談社文芸文庫、1998年)〕。 戦争中、中島飛行機小泉製作所に勤労動員されていた当時20歳の三島が、赤紙による中断覚悟で遺作として執筆していた小説で〔三島由紀夫「私の遍歴時代」(東京新聞夕刊 1963年1月10日 - 5月23日号に掲載)〕、雑誌に初出掲載されたものを読んだ川端康成が賞讃の声を漏らしていたことから、それを頼みの綱に、戦後三島が川端宅へ初訪問するきっかけとなった作品でもある〔。 == 発表経過 == 1945年(昭和20年)、雑誌『文藝世紀』2月号に第2回途中まで掲載され、続きから第3回までを掲載予定だった3月号は発行前に東京大空襲で焼失した。第4回は終戦後である翌年1946年(昭和21年)1月号に掲載された。その後、川端康成の推薦により、同年に雑誌『人間』12月号に初めて全編が掲載された。雑誌『人間』は川端主宰の雑誌である。その後1954年(昭和29年)1月30日に新潮社より刊行の『三島由紀夫作品集5』に収録された。文庫版は講談社文芸文庫より刊行されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「中世 (小説)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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